フリーランスになったら事務所はどうしよう。自宅でもできるかな。ほかにどんな方法があるんだろう?
もちろん自宅を事務所にすることができますし、シェアオフィスを借りるなどいろいろな方法があります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、一緒に見ていきましょう。
事務所のタイプ
事務所のタイプとしては、大きく次の3つが考えられます。
・自宅を事務所にする
・賃貸で借りる
・シェアオフィス/コワーキングスペースを借りる
・自宅を事務所にする
おそらくフリーランスで一番多いのは自宅を事務所にしている人だと思います。
メリットとしては
・家賃がかからない
・通勤時間がかからない
ということでしょう。
デメリットとしては
・生活と仕事の区別がつきにくく、仕事がはかどらない恐れがある
・来客があった場合は対応に困る
・一定のスペースを確保する必要がある
・名刺に住所を書きづらい
といったことが挙げられます。
名刺の住所問題についてはこちらの方でも記載しています。
応用編として、仕事の場所としては近くのカフェやファミレス、あるいはリゾート地などで仕事をするといったことも考えられます。
・賃貸で借りる
一般に独立といった場合思い浮かべるのが、賃貸で事務所を借りるという方法だと思います。
メリットとしては
・生活と切り離すことができ集中できる
・来客対応ができる
・名刺に住所を書くことができる
デメリットとしては
・賃料が高い
・移動時間がかかる
・Wifiや机、コピー機といったファシリティを自分で用意する必要がある(レンタルオフィスの場合、ファシリティが整っていることころも)
と、ほとんど自宅開業の場合と逆になります。
賃貸で借りる場合の注意点として、
・事務所利用が可能かどうか
・登記の住所として使えるかどうか(会社を設立し、その住所で登記する場合)
は契約条件によるため、十分注意が必要です。
・シェアオフィス/コワーキングスペースを借りる
次に多いのはシェアオフィスやコワーキングスペースを借りるケースです。
シェアオフィスとは、不特定多数の利用者がフリーアドレス形式で使用するオフィスです。
一般に wi-fi やコピー機などの事務用品と、机や椅子が準備され、利用者が好きな場所で仕事をすることができます。
コワーキングスペースは、シェアオフィスと機能的にはほとんど変わりがありませんが、コミュニティ形成が重視されているという点が異なります。
セミナーや懇親会等のイベントが開催されることもあります。
民間企業だけでなく自治体が運営するものもあります。
メリットとしては
・多数でシェアするため賃料が安い
・駅前などの一等地にある場合が多い
・ファシリティが整っている。食料品の販売や電子レンジ、冷蔵庫がある場合も。
・人脈形成や情報収集が可能(コワーキングの場合)
・住所利用可能(利用先の契約条件を確認。追加料金を払えば可能な場合が多い)
といったことでしょう。
デメリットとしては
・施錠ができないため、盗難や情報流出に注意する必要がある。
・電話や来客対応がしづらい
といったことでしょう。
電話や来客対応については、電話スペースや貸し会議室があれば問題ありません。
電話や来客の頻度を考慮し、必要性が高い場合、それらの有無をよく確認しておきましょう。
先輩はどうしてる?
私の場合
私はコワーキングスペースを借りているものの、ほとんどは自宅で仕事をしています。
自宅で仕事をしているのは、
コワーキングスペースに行く移動時間と電車賃がもったいない
ためです。
しかし、いろいろなメリットがあり、賃料も月額5,000円と比較的安価であるため、コワーキングスペースを契約しています。
事務所で一番困っているのは、来客対応です。
行政の方との仕事が多いのですが、「ご説明にあがりたい」という申し出がとても多いのです。
私が借りているコワーキングでは来客用の部屋がありません。
家に来ていただくわけにもいかず、ウェブミーティングをお願いするのですが、応じていただけるのは半分くらい。
仕方なく、喫茶店で対応したり、近くに行く用事があればそれに合わせて逆に訪問するといった方法で対応しています。
しかし、喫茶店では外部の人に話が聞かれてしまう恐れもあります。
ウェブだと、話に集中できますし、自宅からセキュリティに注意してつなげば、他の人に聞かれる心配もありません。
先方には移動の時間と交通費がかからないメリットがあるので、ぜひ改善していただきたいものです。
また、やはり公私の区別が付けにくいのが自宅で仕事をする際のデメリットで、どうしても集中したいときはコワーキングに行きます。
他の人とおしゃべりしたりすることもでき、気分転換にもなります。
ただ、電話がかかってきたときは、周りに人がいますので、いったん事務所スペースを出て廊下まで行って話をしています。
普段の仕事で電話が多い方は、電話ができるスペースがあるかを確認しておく方がいいかもしれません。
個人開業の公認会計士Aさんの場合
Aさんは、独立し、自宅から車で15分くらいのところに、事務所を借りました。
しかし、開業後3年でその事務所は引き払い、現在は自宅で仕事をしています。
以前借りていた事務所は自治体が提供するもので、比較的安価に借りることができましたが、ファシリティやWifiなど、すべて自分で準備する必要があり、最初は結構費用がかかったそうです。
自分の仕事のスペース以外に、会議ができるスペースを設け、来客があるときや、チームを組んで仕事をする場合は便利だったようです。
しかし、毎日会議や来客があるわけではなく、必ずしも事務所でないとできない仕事は特になかったため、だんだん事務所から足が遠のいてしまいました。
結局、賃料を払うのが無駄だということで、事務所を自宅に移したそうです。
相談業Bさんの場合
Bさんは、会社を持っており、会社の登記の住所として利用したかったこともあり、賃貸オフィスを借りたそうです。
しかし、一人で負担するには賃料が高かったことや、いろいろ情報交換もできるということで、同業者仲間のCさんと共同で借りることにしました。
しかし、いろいろな事情からCさんとの関係が悪くなり、移転することを検討中ということです。
事務所を共同で借りる場合は注意が必要です。
まとめ
フリーランスになってからの仕事の仕方や事務所の必要性は、なかなか事前にはわかりづらいものです。
最初から賃貸で借りてしまうと、初期費用がかかる上、結局あまり使わなかったということになる恐れもあります。
自宅以外を事務所としたい場合は、まずシェアオフィスやコワーキングスペースから始めてみるのがお勧めです。
コワーキングスペースの中には、創業期のインキュベーションを兼ねているようなところもあり、相談にのってもらえたり、創業期向けのセミナーが開催されている場合もあります。
だんだん事業が軌道に乗り、拡大してから専用オフィスを借りるということもできます。
ぜひ、自分の働き方にあった事務所を選んでくださいね。