今会社員ですがもうすぐ会社を辞めて独立します。今のうちにやっておいた方がいいことには、何がありますか?
長期的な視点からやっておきたいことについて、先日は3つに絞ってお話ししました。
今回は辞める少し前、短期的な視点でやっておきたいことに絞ってお話ししますね。
- 1.独立後の収入源のめどを立てる
- 2.資金計画を立てる
- 3.カードをつくる
- 4.退職手続きをする
- 5.有給休暇を取得する
- 6.メールアドレスを取得する
- 7.どこで仕事をするかを決める
- 8.屋号を決める
- 9.名刺を準備する
- 10.独立の挨拶をする
1.独立後の収入源のめどを立てる
独立後の収入源のめどがないまま独立すると、何ヶ月も無収入ということがあり得ます。
独立しても何とかやっていけそう、というめどがついてから独立することをお勧めします。
もしここでめどがつかなければ、今の会社でもう一度やってみる、転職を考えるという方法もあります。
その時の景気の状況にも大きく左右されます。
まして、今は新型コロナウイルスの影響で、将来的な先行きが見えにくくなっています。
見切り発車で退職するのは、大変危険。
独立後の人生は、結構長いです。
息長く稼いで行かなければいけません。
じっくり自分の計画を見直してみましょう。
2.資金計画を立てる
自分のビジネスに加え、生活費や住居費、長期的な支出の予定も含めた、独立後の資金計画を立てましょう。
支出をしっかり把握すると、どれだけ稼がないといけないかが見てきます。
また、フリーランスになる前に、やっておきたい3つのことでも書きましたが、2年間無収入でも大丈夫なぐらいの貯蓄は持っておきましょう。
3.カードをつくる
フリーランスは収入が不安定なので、独立後にカードを作ろうとすると審査に通らない場合があります。
もしカードを一枚も持っていないという方は、在職中にカードを作っておくと良いでしょう。
最近の会計ソフトは、カードでの取引を自動でとりこんで会計処理してくれるなど、カードを持っておくととても便利な局面があります。
6月5日追記
カードは、個人用と事業用を作成しましょう。
経理を個人と事業で分けることは、事務効率化のため必須です。
(かく言う自分はこれができていなくて苦戦中です)
「独立前に住宅ローンを組んでおきましょう」
という記事も見かけますが、これはおすすめしません。
なぜなら独立後、長期的に住宅ローンは払えるだけの収入の保証はないためです。
賃貸であれば、収入に応じて家賃の低いところに引っ越すこともできます。
ましてや今はインターネットが発達し、どこでも仕事ができる環境が整ってきています。
家を購入し住宅ローンを組んでしまうとそれにしばられます。
すでに住宅ローンがある方は仕方がないですが、ローンに縛られないよう身軽になっていることをおすすめします。
6月17日追記
家を賃貸で借りている場合は、賃料の安いところへの住み替えも有効です。退職後に家を借りると、信用の問題から契約が難航する可能性があります。
住み替えを考えているなら、退職前に手続きをしてしまうと良いでしょう。
4.退職手続きをする
収入と資金計画のめどがつけば会社に退職を申し出て、手続きを行いましょう。
会社への退職の申し出は、会社に迷惑をかけないよう、ご自身の会社の慣行に合わせ、なるべく早目の方がいいでしょう。
私の場合は約半年前に上司に申しでし、退職手続きは約2か月前から行いました。
5.有給休暇を取得する
有給休暇が残っている場合は、有給休暇を取得してから退職しましょう。
有給休暇が取得しきれず残ってしまう場合は、金銭で給付してもらえることになっています。
有給休暇中に独立の準備を進めましょう。
有給休暇については、このサイトが参考になります。
6.メールアドレスを取得する
独立後のビジネス用のメールアドレスを利用したい場合は、独立前に取得しておきましょう。
在職時代にお世話になった方や、職場の同僚に退職のあいさつをする際、今後の連絡先をお知らせするのに必要です。
私はこのメールアドレスで失敗してしまい、独立2年が経過した今も迷走中です。
メールアドレスで迷っている方は、ぜひ次を参考にしてください。 miyukicpa.hatenadiary.jp
7.どこで仕事をするかを決める
独立後、どこで仕事をするかを決めておきましょう。
もちろん自宅を事務所にすることもできますし、シェアオフィスを借りるなど、いろいろな方法があります。
私は、個人会計事務所と会計研修を行う合同会社を持っており、個人事務所はコワーキングスペースを借り、合同会社は登記の関係でバーチャルオフィスを借りています。
実際に仕事をするのはほとんど自宅、というちょっと特殊な環境に行きついています。
事務所については、フリーランスの事務所問題でも書いているので、よろしければご覧ください。
8.屋号を決める
屋号とは、個人事業の名前のことです。
個人の会社名のようなものです。
私の場合は、公認会計士として会計事務所を構えており、公認会計士の登録の関係上、○○公認会計士事務所というように、自分の名前をつけた事務所名をつけないといけないことになっています。
✖✖みゆき公認会計士事務所、というのが私の屋号になります。
屋号は、税務署への開業届や名刺などに書くときに必要になります。
銀行口座を屋号でつくることもできます。
ただし、必ずしも屋号を決めないといけないわけではなく、自分の名前を屋号とすることも可能です。
ちなみに、独立して会社を設立する場合は会社名があるため、一般に屋号は不要です。
9.名刺を準備する
屋号、事務所、メールアドレスが決まれば名刺をつくりましょう。
退職のあいさつをする際、独立後の名刺があると大変べんりです。
ちなみに、自宅で開業する場合など、名刺に住所を書きたくない場合もあると思います。
名刺の住所問題については、こちらをご覧ください。
10.独立の挨拶をする
お世話になった取引先には、これまでお世話になったお礼と後任の方と引継ぎのあいさつも兼ねてきちんと挨拶をしておきましょう。
今後取引先と直接仕事をすることはないかもしれませんが、立つ鳥跡を濁さずできちんと対応をしておくと、元の職場から思わぬ仕事の依頼が舞い込んでくることがあります。
職場の上司や同僚、友人などにも、お礼と今後の連絡先を伝えておきましょう。
私の場合、退職のあいさつをきっかけに、退職後の仕事の依頼がいくつか来ました。
この機会に、これまでの人脈や連絡先をしっかり整理しておくとよいでしょう。
挨拶の仕方は、直接訪問する、電話する、ハガキを送る、メールを送るなど、いろいろあると思いますが、メールの場合は注意が必要です。
私は会社員時代に知り合い、直接の取引はなかったものの今後もお付き合いをしていきたい方に、個人のメールアドレスからメールで退職の連絡をしました。
大量にあったため BCC で一斉送信したところ、半分ぐらいが不達で返ってきてしまいました。
フリーメール のGmailを使い、大量に送ったことから、 迷惑メールと判断されてしまったのではないかと思うのですが、不達のメールを特定していちいちメールを送りなおし、非常に手間がかかりました。
最近、Zohoという顧客管理システムを契約し、また独自ドメインのメールアドレスで一斉メールを送ったところ、受信割合がかなり向上しました。
今後もビジネスの対象としてお付き合いをしていくのであれば、顧客管理システムを導入することを検討しても良いと思います。
(ただし、取引先を引き抜いて独立など言語道断ですし、会社情報の持ち出しになる場合がありますので、お付き合いの仕方は各自ご注意ください。
私は勉強会など、会社の外部で知り合った方を登録しています)
そのほか、一斉メール送信だけするようなサービスもあるので探してみてください。
いかがでしたでしょうか。
退職し独立する予定が近い方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。