フリーランス、自営業者のみなさま、年の瀬も押し迫り、仕事納めに向けてラストスパートを掛けていらっしゃる方も多いところと思います。
年が明けると、いよいよ確定申告シーズンの到来です。
確定申告は12月末までの収支に基づいて行うため、 節税のために年内中にやっておいた方がよいことがいくつかあるのです。
もうあと数日しかありませんが、これだけはやってほしいおいてほしい3つのことについてお話しします。
1.仮決算
一年間の収入と支出を集計して一年の収支計算を行います。
そして、確定申告ソフトなどを利用して、今年度の所得と税額計算までしておきましょう。
さらに、ざっくりでいいので、翌年度の収入と支出のシミュレーションをしてみてください。
これにより次の効果が得られます。
・今年度と翌年度の所得見込みが明らかになり、節税調整ができる
・ふるさと納税の限度額がわかる
なお、仮決算ですので、会計ソフトに全ての収入と支出を入力する必要はありません。
入金額や領収書を電卓で足し合わせて計算するだけでもOK。
ただし、これをベースに節税やふるさと納税を考えるので、もれや計算誤りがないようにしてください。
今年一番注意してほしいのは、新型コロナの給付金関係です。
国民全員に一律10万円で支給された特別定額給付金は非課税(収入として申告しなくてよい)ですが、フリーランスや個人事業主に最大100万円給付される持続化給付金は申告の対象です。
基本的に事業者向けの給付金は課税対象になります。
また、Go To キャンペーン事業における給付金も課税対象とされています。
(ただし、Go To キャンペーンの給付金は一時所得という扱いで50万円の特別控除があるため、他の一時所得との合計が50万円を超えた分が課税対象)
新型コロナの影響により交通費等の経費が少ない一方で、給付金が支給され、思ったよりも所得が多いなんてこともあるかもしれません。
来年の収入の見込みにもよりますが、このような場合は来年予定している経費を前倒しして今年の支払いに変更するとか、もしまだ小規模企業共済に入っていなければ加入するといったことも考えられます。
小規模企業共済は、以前こちらのブログでも記載したことがありますが非常に節税効果の高い年金制度です。
www.cpamiyuki.com
翌年分の前払いも可能で、取扱い金融機関の窓口に行けば、当日中に申し込みが完了します。
かなり大きく節税することが可能です。
(節税目安が、下記サイトの下の方に記載されています。1年分前払いすれば、掛け金7万円で、所得が400万円とした場合、241,300円の節税になります)
同じく節税効果の高い年金制度として、IDECOがありますが、こちらは手続きに時間を要するため、今からでも間に合い、効果が大きいのは小規模企業共済になります。
ぜひ、検討してみてください。
2.ふるさと納税
フリーランスや自営業者のふるさと納税の限度額の計算は少し複雑です。
しかし、1.の仮決算までできれば、シミュレーターを使うと容易に計算できます。
ふるさと本舗シミュレーター(個人事業主版)
https://furusatohonpo.jp/donate/sim/solo/
ただし、ざっくりとした計算で、人によっては他の考慮要素がある場合もあるので、 ここで計算されたものより少し控えめに考えておく方が良いでしょう。
そして、今年度の限度額を使うには、12月末までにふるさと納税の申し込みを済ませる必要があります。
もちろん、ふるさと納税は必ずしも使わないといけないというものではありません。
利用する、しないは任意ですが、2,000円を負担するだけで返礼品をもらえたり、使途を特定した寄付ができるので、非常にお得な制度です。
3.各種手続き
今年中にやらないといけない手続きを済ませておきましょう。
社会保険料の未納があれば支払いはすませておきましょう。
来年の控除になるからと、社会保険料も来年に後ろ倒しすることはお勧めしません。
延滞金がかかったり、健康保険証が必要な時に使えなくなったりと、本末転倒になる恐れがあります。
あと、かなりの上級テクニックになりますが、消費税の課税事業者の選択届出、簡易課税制度選択届出は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までが期限となっていますので、翌年度において、課税事業者から非課税事業者へ、あるいは非課税事業者から課税事業者へ変更した方が有利な場合、課税事業者の場合で簡易課税の適用、非適用について変更する方が有利な場合、12月31日までに申請が必要です。(一定の要件があります)
いかがでしたでしょうか。
仮決算や税額のシミュレーションは手間がかかりますが、やるとやらないで数十万円の差が生じる場合があります。
効果は絶大ですので、年内あと少しですが、ぜひやってみてください。