CPAみゆきのフリーランス応援マガジン

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フリーランスの確定申告、ふだんの処理ってどうやるの?

(相談者さん)確定申告そろそろ準備しないとって思ってるんですけど、何から手をつけていいか分からなくて  

CPAみゆき)実は私も悪戦苦闘しているうちの一人なんです。 先日、税理士のきむらあきらこ先生のフリーランス向け確定申告セミナーに参加して、とってもいい話を聞いたのでご紹介しますね。

 

 

毎日やること(1分)

領収書、請求書等の整理

毎日やるのは事業用とプライベートの領収書や請求書をきちんと分けておくことです。

これとっても大事。

領収書があったはずなのに見当たらない、なんてことありませんか?

毎日財布や郵便物を整理しておけば大丈夫。

 

確定申告に必要なのは、

・事業用の領収書

・事業用の請求書(これから支払いを行うもの)

・医療費や保険料控除の書類

 

です。

これをそれぞれ別のクリアファイル等に放り込んでおきます。

日付順に並べておくと、そのあとの整理がより楽になります。

 

毎週やること(3~5分)

①請求書の支払い

請求書が来ていたものの支払いや交通費の精算書の作成を週に一度やりましょう。

支払いは月に一度にするのもアリです。

(期限をよく確認してください)

 

ちなみに請求書がで支払ったものに領収書をもらうことがありますが、この場合の領収書は請求書とセットにしておいてください。

のちに請求書をベースに経費の入力を行うので、請求書払いの領収書を領収書の束に入れてしまうと、請求書払いの経費明細書と領収書からの経費明細書にダブル計上されてしまう恐れがあります。

 

②交通費精算書の作成

交通費の精算書は下記のようなものです。

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注意点としては、領収書がある交通費ってありますよね。

領収書があるものは引っこ抜いて、この交通費精算明細書の裏面にでも貼っておきましょう。

 

領収書をベースに別途経費の明細を作るので、通常の領収書の束に入れておくと、交通費精算明細書と経費明細書にダブル計上されてしまう恐れがあります。

あるいは、領収書のある交通費は交通費精算書に入れず、領収書からの経費明細に記入するというのもアリだと思います。

 

交通費の精算書を毎週を記入するのは、記憶が新しいうちに記入した方が早く終わるから。

しかし最近は文明の利器があります。

私はSuicaを使っていて、マネーフォワードに Suica の記録を取り込んでいます。 f:id:miyukicpa:20201025115412p:plain

 

交通費精算専用のマネーフォワードを設定して、行き先等情報を取り込み、これを毎月1回エクセルの落とし込んで、メモ欄に行き先と用件を記載しておくと、より簡単に交通費精算書が作成できます。

(この場合は月に1度でいいかなと思います)

 

毎月やること(15~30分)

①立替経費精算書

立替経費精算書を作成します。

あきらこさんのおすすめはこちら。

多桁式の精算書です。

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現金やカードで支払ったものについて、領収書から日付、支払先、内容、金額を清算書のエクセルシートにどんどん入力していくのですが、費目(新聞図書費、通信費など)を右の列で分けるのです。

費目は使っているソフトウェアの勘定科目に合わせます。

細かいですが、課税事業者の方は、茶菓子等を購入した場合消費税が8%になりますので、8%と10%の費目があるものについては、8%の列と10%の列を設けておいてください。 

 

そして、費目ごとの合計額を、ソフトウェアに一括して入力をしていくのです。

そうするとソフトウェアの入力がずいぶん省略化されます。

 

ちなみにソフトウェアの入力は1年間分まとめてでOK

 

②その他(ファイリング等)

そのほかにやる事としては、

・領収書のスクラップ

・交通費精算書、立替経費精算書の印刷とファイリング

・請求書(支払い)の印刷とファイリング

・売上の請求書控えの印刷とファイリング

になります。

 

領収証はこれまで左のように貼り付けていたんですが、あきらこさん方式で、右のように貼り付けるようにしました。

 

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これだとたくさん貼り付けることができます。

ちなみに税理士の友人と話をしていたら、友人は領収書はホッチキスでパッチンで終わりとのこと。

領収書の整理は、そんなにこだわらなくていいようです。

 

年が明けたらやること(2~3時間)

ソフトウェアを設定して、ソフトウェアに入力していきます。

入力するのは、

①交通費精算書

②立替経費精算書

③請求書払いの経費

④売上

⑤預金の入出金

になります。

 

①交通費精算書

毎月の合計ベースで入力します。

例えば

1月31日 旅費交通費  10,500 事業主借 10,500 1月分交通費精算書より

2月28日 旅費交通費  19,300 事業主借 19,300 2月分交通費精算書より

3月31日 旅費交通費  13,000 事業主借 13,000 3月分交通費精算書より

と、このような感じです。

 

事業主借というのは、経費を立て替えた時に使う勘定科目で、事業主貸勘定と相殺して、差額を精算するのですが、毎月のルーチンの中に、事業主借分を事業用の預金口座から引き出しておくと、 預金口座を見れば事業の損益が一発でわかるのでより便利です。

 

その場合は事業主借ではなく、右側(貸方)は預金になります。

 

②立替経費精算書

こちらは、毎月の費目ごとの合計ベースで入力します。

1月31日 新聞図書費  4,500 事業主借 4,500 1月分立替経費精算書より

1月31日 通信費    3,500 事業主借 3,500 1月分立替経費精算書より

1月31日 会議費    1,200 事業主借 1,200 1月分立替経費精算書より

1月31日 事務用品費  2,300 事業主借 2,300 1月分立替経費精算書より

1月31日 ・・・

1月31日 ・・・

 

交通費精算書を毎月事業用預金口座から引き出す場合は、この立替経費精算書も、毎月末に立替経費精算書の合計額を事業用預金口座から引き出しておきます。 

その場合は事業主借ではなく、右側(貸方)は預金になります。

 

③請求書払いの経費

請求書をもとに入力していきます。

1月25日 外注費  30,000 未払金 30,000 ウェブ制作費

2月25日 ・・

3月25日 ・・

 

ちなみにこの未払金は、のちの預金通帳から出金取引を入力するときに消去します。

 

④売上

請求書控えをもとに入力していきます。

1月31日 売掛金  110,000 売上高 110,000 1月業務提供 ✖✖商事

2月31日 ・・

3月31日 ・・

 

売掛金は、のちの預金通帳から入金取引を入力するときに消去します。

 

⑤預金の入出金

事業用の預金通帳の入出金をもとに入力していきます。

【支払取引】

2月3日 未払金 30,000 普通預金 30,000 ウェブ制作費支払い

 

ちなみに自動引き落としの場合など請求書で未払金を計上していない場合は、左側(借方)は未払金でなく〇〇費になります。

なお、事業用預金からの引き落とし分を②立替経費精算書の方に入れてしまうと、二重計上になってしまうので注意しましょう。

 

【入金取引】

2月28日 普通預金  110,000 売掛金 110,000 1月業務提供 ✖✖商事 入金

 

こちらも特に請求書を発行していない場合は売掛金を計上しませんので、右側(貸方)は売掛金でなく売上高になります。

 

なお、個人事業の場合、源泉所得税を差し引いた金額が入金される場合があります。

その場合は、売掛金が当該金額だけ残ることになってしまいます。

次のような仕訳になります。

 

2月28日 普通預金  98,769 売掛金 110,000     1月業務提供 ✖✖商事 入金

      事業主貸  11,231 

 

以上が確定申告までにやっておくべき普段の処理でした。

 

こうやって書くとどこもやることはたくさんあるように見えますが、毎日、毎週、毎月を都度やっておくことで、確定申告時の処理は大幅に削減されるのは間違いありません

また、記憶の新しいうちに整理していきますので、経費にできていたはずの領収書、うっかり漏らしていた、なんてことも激減します。

 

ぜひ、みなさんも、日常からの整理を心がけてみてください。



私が参加した、きむらあきらこ先生のセミナーはこちらです。

 

kimutax.doorkeeper.jp



税務や会計に関するブログも書かれているので、ぜひこちらも参考にしてください。

 

akirako.jp