CPAみゆきのフリーランス応援マガジン

独立開業・フリーランスを応援する情報を発信していきます

独立、家族をどうやって説得する? 家族説得を成功させる3つのポイント

はじめに

会社を辞めていざ独立するとなった時、家族にどう切り出すかって難しいですよね。
結婚して子供もいて、住宅ローンもあって、さらに一方に安定的な収入がない場合はなおさらです。

おそらくこの問題は、女性よりも男性の方が深刻ではないでしょうか。
日本では男性が一家の大黒柱になっている場合が多いためです。

今回は特にそんな既婚男性に向けて、
女性視点から
「独立を家族に納得してもらい、かつ応援団になってもらうための成功のポイント」
をお送りします。

ポイント1.家族への説明は段階的に

「オレ、1ヶ月後に会社を辞めて独立するよ」
何て急に言われた時は、家族はポカーンでしょう。

家のローンはどうするの?
子供の教育費は?
本当にやっていけるの?

妻がプチパニック状態に陥ることもあるかもしれません。

次に来るのは怒りかもしれません。

なぜもっと早く言ってくれないの。
何を夢みたいなことを言っているの。

こうなると家族を説得するどころか、大反対を受けてしまいかねません。

そうなってしまうと事態の収拾に時間を費やしてしまいます。
配偶者にはなるべく早い段階で、独立の話をしましょう。

独立を決めていなくても、なるべく早い段階からそのような希望があることを伝えておいた方がいいでしょう。
独立までの期間が長ければ長いほど、相手の理解は得られやすくなります。

私事ですが、うちの夫は私と同じく公認会計士で、私より5年ぐらい早く独立し、フリーランスになりました。
独立する3年ぐらい前から独立したいという話がありましたが、最初の時点では猛反対。
子供も小さく、住宅ローンもあったためです。

しかし、とうとう来たかという気持ちもありました。
というのは、結婚当初から将来独立したいという話を聞かされていたためです。
少しずつジャブを打って相手を慣らせていきましょう。

また、独立の話は一度で終わらせず何段階かに分けて進めましょう。
次のようなことを少しずつ、時間をかけて説明していきましょう。

・なぜ独立したいのか
・今の会社での環境がどうか
・どんな仕事をしたいのか
・独立後はどのような働き方になるのか
・事業プランや収入の見直し

ちなみに、反対されるのを恐れて、独立の希望をなかなか言えず、事後報告ということになると、その後がなかなか大変なようです。

Aさんもそんなうちの1人。
会社を辞めてから、独立を奥さまに伝えたところ、険悪なムードとなり、修復に時間がかかったそうです。
さらに奥さまの両親からも攻められ大変だったとのこと。

どのみち反対されるのです。
早い時点で少しずつ話をし、相手を慣らしていきましょう。

ただし、 話の仕方や話す内容も重要です。
これを次にお話しします。

 

ポイント2.収入の見通しを説明する

やはり配偶者が一番心配するのは、サラリーがなくなって、今後家計がなり立つのかということ。

独立後どのように仕事をしていく予定であるかといったことや、収入の見通しをしっかり説明しましょう。

独立後、すぐにサラリーマン時代と同じぐらいの収入を見込む必要はありません。
安定的に収入が得られるようになるまでに時間がかかるのは当然です。
収入は長期で考えましょう。

同時に、現在持っている預貯金の額や長期的な支出予定額を把握し、長期的な資金計画を作り、説明しましょう。

実現可能で無理のない資金計画を示すことができれば、家族も安心します。

先輩フリーランスBさんからは、
バックアッププラン(転職だったり、いざとなった場合に収入は低くても必ず稼げる方法など)も持っておいてそれを説明するといいですよ、
というアドバイスももらいました。

 

ポイント3.家族側のメリットを示す

妻側への独立の影響は収入の減少だけではありません。
独立となると一般的には、夫の家にいる時間が長くなります。

夫が独立して家にいる時間が増えた場合、妻の物理的、精神的負担は相当増えます。

定年退職した夫が家にずっといて妻がストレスになるのと同じ構造です。

私も夫が独立した当時、フルタイムで働いていてずっと昼間一緒にいるわけではありませんでしたが、 相当ストレスが溜まりました。

朝は自分より遅く起き、毎日家にいる。
夜は飲み会や出張で夕食を食べないことも多かったのに、毎回夫の分も食事の準備が必要。
食事作りや家事を全部してくれる夫さんであれば良いかもしれませんが、うちはそうではなかったので、物理的、精神的な負担が相当増えました。

収入以外の面で反対してるとすれば、夫が家にいる時間が長くなることへの抵抗があるかもしれません。

そんな物理的、精神的な負担の増加を上回る家族のメリットを示しましょう。

・子供の保育所や塾の送り迎えができる
・子供が病気の場合に家で面倒を見ることができる
・時間ができるから、家族と過ごす時間が増える
・自分が子供の面倒を見るから、安心して残業や出張に行ってきて
・自分が子供の面倒を見るから、飲み会にも行ってきて
・買い物や夕飯づくりは自分が担当するよ

このへんまで来ると、妻側としてはかなり心が動きます。

通勤がなくなるので、もっと空気のきれいなところに住めるよ、といったものもあるかもしれませんね。


ちなみに、 独立したらこんな暮らしが待ってるよと、旅行に連れて行ったり、 豪華な食事をしたりという懐柔作戦はあまりお勧めできません。

Cさんは、独立したらこんな豪華な暮らしが待っているとハッタリをかましたそうですが、独立後そんなにうまくいくわけもなく、家庭内での地位がグンと下がってしまったそうです。

やはり、収入がなかったとしても実行可能な家事・育児作戦が有効です。

ただし、こちらもやはり実行しなければ家族の目は厳しくなります。
また会社を辞めてからやるのではなく、辞める前から少しずつ実行に移し、行動で表しましょう。

以上が特に既婚男性に向けた家族説得の成功のポイントでした。

皆さまの成功をお祈りしています。

なお今回の記事は、私の夫の場合の経験と、既婚フリーランス男性4名の方へのインタビューを踏まえ、記載させていただきました。

事例として登場してくださった A さん、 B さん、 C さん、そして時間をかけて説得していったというお話を教えてくださったDさん、ご協力ありがとうございました。